今年も間もなく終わりですね。なかなか新刊をお届けできなくてすいません。来年にはなんとか本を出したいな、と思ってます。
まわりからは、また一段と痩せた、と言われるので写真を載せてみました。自分じゃわからない。もう何年も体重はかってないし。
秋の終わりぐらいにスズメバチの群れに襲われ、全身刺されて救急車搬送されたんですが、あれがなんか逆にいい刺激になって、さらに意識の覚醒レベルがあがったような。やっぱ、死を覚悟しましたからね。ぼくは子供のとき、それで意識不明の危篤状態に陥ったことがあったから。
必要なものと不必要なものを、さらに明確に見極められるようになった。自分がすべきこととかも。
さいきんはもう、あんまり食べないです。もともと食欲はない人間なんだけど、無理してまで食べない。
肉体を削いでいくと、相対的に意識が拡大していく。仙人みたいなものです。
体調はぼろぼろなんだけど、頭は冴え渡って、昨日は四十枚ぐらい原稿書きました。言葉は勝手に出てくる。ある種のトランス状態ですね。
「優しさの回路」のイラストを描いてくれた西村舞さんが亡くなったのが8月のこと。まだ高校一年の、ほんとに若い命だった。聡明で美しいお嬢さんでした。闘病中の彼女を励ますために、短編を書きました。
彼女が描いたあのイラストを見た途端、物語は一瞬でできあがった。
「優しい世界になってほしい」 そう訴えているように見えたんですね。いつかきっと、あの先の物語を書こうと思ってます。世界が優しさに包まれる物語を。
あいかわらず、「世界の優しさを少しでも増やそう」プロジェクトは続けています。まあ、ひとりプロジェクトなので、遅々として進まず、それが歯痒くもあるけど、いずれは報われるはず、と、そう信じて。
いまはまだ、世界では憎しみの総和のほうが増え続けている。
この世に悪はない、あるのはただ愚かさだけ。気付けばいいんです。誰かにこっそり奪い取られた本来の洞察を取り戻す。そのための物語を。
天野さんは、大自然を師とすればいいんだ、っておっしゃっていた。多くのひとたちが、その遺志を継いで、いまも活動を続けている。
狭量な人間のヒロイズムではなく、おおらかな大自然の母性を。