« July 2010 | Main | October 2010 »

吸涙鬼の姿

Ts3k0009

 吸涙鬼と言うよりは、むしろ幻想作家? 年齢的にも。
 しばらくテキストばかりだったので、例によって自分撮りの写真を。他に載せるようなものもないので。
 痩せ止まりませんね。176.5の身長に対して、体重は四十キロ台。まあ、食えないので仕方ないんですが。
 家族からはインドの行者さんみたいと言われます。
 でも、間違いなく、これが吸涙鬼的。小太りやマッチョの吸涙鬼は想像できない。
 ぼくは比較的登場人物と作家のイメージが近いタイプだと思います。つねに自分を思い浮かべながら書いているので。まあ、それにしても限界は近いですね。早く涙を飲まなければ....

 ふと昨日思ったんだけど、世の男性たちは、自分のパートナーの涙を吸ったひと、多いんじゃないのか?
 ぼくももちろん経験がありますし、比較的女性の方が涙を流すことが多いので、男性に、この経験者は多そう。
 女性によって涙の味は違うんだろうか? 目隠しされても、涙の味で自分のパートナーを見つけることはできるのか? なんか、ぼくは出来そうな気がするんですが。

|

今日また吸涙鬼を読み返しました。

本が出来てから四回目です。そうとうな頻度で読み返している。
結局、あの手触りが好きなんでしょうね。どうしてもまたあそこに戻りたくなる。
いつも言っている究極の自慰行為ですが、こういうのは鬱ではなく躁的な欲求
なんでしょうね。普通の作家さんはあまりしそうもない。


極限まで達している脳熱が求めている物語が、他にほとんど見あたらない、という
事情もあります。もう少し穏やかなとき、脳がホットでご陽気なぐらいのときは、これよりも
やや寓話的なもの、とぼけ感やユーモアがある話を好むようになる。

でもいまはだめです。切実でぎりぎりのものが欲しい。とことんロマンティックで詩的なもの。
サントラを聴きながら「ピアノレッスン」の監督が書いたノベライズを読んでみたんですが、
微妙に物足りない。きっと実際の書き手が監督自身じゃないからなのかもしれない。
レイ・ブラッドベリの「永遠の夢」はかなり良かったけど、量自体が少ない。
クレア・キーガンやマイケル・オンダーチェを読み返してもいいんだけど、
いまは、すっと手が「吸涙鬼」に伸びてしまう。

自分が一番読みたいものはこの世にないから、自分が書くしかない。
言い古された言葉だけど、それが真実のようです。

|

« July 2010 | Main | October 2010 »