Voice1

「voice」の一場面を四コママンガにしてみました。海外の読者向けなので英語にしてあります。


|

ベトナム版「Voice」


Image1a_3

Image2a_3


Image3a

 昨日、ベトナムのNhaNam出版さんから「Voice」が翻訳出版されました。そのときの模様を送って下さいました。
 サインを1000人分書いたんですけど、二時間でソールドアウトになったそうです。感謝、感謝。


|

ブックファースト アトレ吉祥寺店さん


ブックファースト アトレ吉祥寺店さんが、素晴らしいパネルをつくって下さいました!
ありがとうございますImg_0011_3


|


Mori22_2

https://youtu.be/ioLkqU8tO30

「こんなにも優しい、世界の終わりかた」
林の中はさざめきと気配に満ちている。
すぐ耳元で誰かが囁く。驚いて振り向くけれど、そこにはただ青い霧が漂うだけで、ひとの姿はどこにも見えない......

この小説をアニメーションにしたくて、とりあえず一場面だけ制作してみました。文庫本の発刊に合わせて、ここで公開します。

|

Img_1939_3

「ぼくが発達障害だからできたこと」の本文中に登場するてづくり玩具の動画は、こちらで見られます。

 
https://www.youtube.com/channel/UCNZlIvw6pf-rVBi2UJ0LGHQ

|

Img_1073

リブロecute大宮店さん、いつもお世話になってます。本日「ぼくが発達障害だからできたこと」が、初登場二位だとのこと、ありがとうごじざいます。

 

|

「ぼくが発達障害だからできたこと」

  朝日新聞出版より、本日新刊が発売になりました。

 いままで小説に書いてきた「発達障害」的なあれやこれやを、ノンフィクションで描きました。ぼくが提示したかったのは「視点」です。「発達障害」の当事者の中には、こんなめちゃくちゃな発想でもって自分のことを捉えている人間もいるんだってことを、おなじような偏りで苦しんでいるひとたちに知ってほしかった。見方ひとつ、ネーミングひとつ、ジャンル分けひとつで、同じ機能が障害にも才能にもなる。そういう話です。
Img_2737_2


|

丸善ラゾーナ川崎店さん

Photo

 
  丸善ラゾーナ川崎店さんが展開写真を送って下さいました。
 売れ行きも好調とのことでほんと嬉しいです。どうもありがとうございます! 
 

|


Img_2705_3


ついに、一位になりました! 感謝です。
 大宮、さいたまの読者のみなさんにも感謝。ありがとうございます。

|

Img_0945


 引き続きリブロecute大宮店さん。感謝です!

|

Img_09421

リブロecute大宮店さんです。
 いつもお世話になってます。

|

「こんなにも優しい、世界の終わりかた」文庫発売

Konyasa


 

「こんなにも優しい、世界の終わりかた」の文庫が本日発売になりました。

 単行本、文庫本含めて、「壊れた自転車でぼくはゆく」以来、ほぼ一年半ぶりの発刊です。
 一生懸命書いてはいるんですが、なかなかみなさんのもとに届くまでにいたらず、お待たせして申し訳ありません。来月には初めての新書も出る予定なので、そちらもよかったら読んでみて下さい。
 

|

Photo_3


amazon購入ページへリンク

 ぼくの従兄弟の奥さんの小説です!
 
 羽鳥あゆ子
 昭和25年秋田県に生まれる。
 同人誌「えん」、「二十一世紀文学」に参画
 東京都在住。
 (著者プロフィールより)

 
 「2011年3月の震災、それを機に心身のバランスが崩れ、
真坂光(まさか あき)は異世界へ紛れ込む。
かつて光(あき)自身が作った小説の主人公、マルロ。
同世代で、死後を知りたいと『実験自殺』をした貴我という名の少年。
数多の異形の物たちをしたがえ、物語は終末へ向かう。

ユルクナイ、ユルクナイ……
その呪文が、久遠の記憶をよびさまし、さらなる迷宮に入り込む……。」
 Amazon解説より。

|

みなさん、ありがとうございました

 さまざまな、コメント、どうもありがとうございました。
 すごく励まされます。

 '子供たちに優しい未来であって欲しい

 一番に思うのはそのことです。子供に罪はないのに、身勝手な大人たちが彼らを苦しめてる。
 せめて、子供時代だけでも絶対無条件の幸せであるべきなのに、欲深い大人や、独善でいがみ合う大人たちが、子供たちの幸せを、まるでそれが自分に約束された取り分でもあるかのように、勝手に奪い取っていく。

 奪われた子供たちは、自分でもそうとは気付かないままに、損なわれ、深く沈み込み、真の喜びとは無縁の人生を送るようになる。

 世界よ優しくあれ、ですね。
 その兆しは、すでに見え始めてるような気もします。

|

近況

Img_1436

 今年も間もなく終わりですね。なかなか新刊をお届けできなくてすいません。来年にはなんとか本を出したいな、と思ってます。

 まわりからは、また一段と痩せた、と言われるので写真を載せてみました。自分じゃわからない。もう何年も体重はかってないし。
 
 秋の終わりぐらいにスズメバチの群れに襲われ、全身刺されて救急車搬送されたんですが、あれがなんか逆にいい刺激になって、さらに意識の覚醒レベルがあがったような。やっぱ、死を覚悟しましたからね。ぼくは子供のとき、それで意識不明の危篤状態に陥ったことがあったから。

 必要なものと不必要なものを、さらに明確に見極められるようになった。自分がすべきこととかも。
 さいきんはもう、あんまり食べないです。もともと食欲はない人間なんだけど、無理してまで食べない。

 肉体を削いでいくと、相対的に意識が拡大していく。仙人みたいなものです。

 体調はぼろぼろなんだけど、頭は冴え渡って、昨日は四十枚ぐらい原稿書きました。言葉は勝手に出てくる。ある種のトランス状態ですね。

 「優しさの回路」のイラストを描いてくれた西村舞さんが亡くなったのが8月のこと。まだ高校一年の、ほんとに若い命だった。聡明で美しいお嬢さんでした。闘病中の彼女を励ますために、短編を書きました。
 彼女が描いたあのイラストを見た途端、物語は一瞬でできあがった。
 
 「優しい世界になってほしい」 そう訴えているように見えたんですね。いつかきっと、あの先の物語を書こうと思ってます。世界が優しさに包まれる物語を。


 あいかわらず、「世界の優しさを少しでも増やそう」プロジェクトは続けています。まあ、ひとりプロジェクトなので、遅々として進まず、それが歯痒くもあるけど、いずれは報われるはず、と、そう信じて。

 いまはまだ、世界では憎しみの総和のほうが増え続けている。
 この世に悪はない、あるのはただ愚かさだけ。気付けばいいんです。誰かにこっそり奪い取られた本来の洞察を取り戻す。そのための物語を。
  
 天野さんは、大自然を師とすればいいんだ、っておっしゃっていた。多くのひとたちが、その遺志を継いで、いまも活動を続けている。

 狭量な人間のヒロイズムではなく、おおらかな大自然の母性を。


 


 

|

「mori4.wmv」をダウンロード

「こんなにも優しい、世界の終わりかた」 の挿絵をアニメーションにしてみました。アップできる容量の問題で小さな動画になってしまいましたが... gifにしたほうがよかったかも。こんな感じで、そぼくなショートアニメーションをつくれたらなあ、と思ってます。

|

展覧会 「夢走する自転車 ART×BIKE」


Hpbike1028


 広尾のギャラリー工房「CHIKA」で、 ART×BIKE「夢走する自転車」 展が始まりました。今月の29日までやってます。

 「壊れた自転車でぼくはゆく」の表紙を描いて下さった根本有華さんが作品を出展されてます。
 表紙の原画も展示されてます! けっこう大きさがあって、実際に見るとすごく感動します!

 ぼくも7日のアーティストトークに参加してきました。自転車好きにはたまらないテーマで、展示されていたペデルセン自転車の美しさにすっかり魅了されてしまいました。

 

|

 天野尚さんが亡くなられました。
 アクアリウム(そして自然への愛)における、ぼくの心の師匠でした。
 ほんの数週間前にお手紙をさしあげたばかりでした。

 いま、リスボン水族館で世界最大のネイチャーアクアリウム水槽をつくりあげた、そのすぐあとに天野さんが送って下さった手紙を読み返しています。

 その中で、天野さんはいまの世界の現状を嘆きながら、そんな世界を少しでも変えるために、優しさに満ちた物語が多くのひとたちに読まれることを願っていると、綴られてます。

 天野さんが残した物語は計り知れない。世界を変えられるひとでした。悲しいです。 

|

I hope that Stefania-Italian girl- sees this website......

--------------------------
Dear Stefania

Hi, thank you for your letter.
I enjoyed reading it.
I think I will be able to answer your questions when I go to Italy.
I'm looking forward to the day!

Best regards
Takuji Ichikawa

|

市川拓司「避難民たちの夜」@B&B トークショー3


3


下北沢B&B トークショー第三弾
「いま、会いにゆきます」との関係 母と義母がヒロイン真利子に投影されているという話。 「平成の『野菊の墓』『絶唱』にするんだ」という話。

後半、いつもの身体を前後に揺するチックが出てますね。エンジン全開。

 あと、遅れましたが、この動画は、根本有華さんのご主人に撮影していただいたものです。どうも、ありがとうございました。

|

市川拓司「避難民たちの夜」@B&B トークショー2

P12107301

 静止画にして音声だけを聞いてみると、異常に早口ですね。
 こんなに早口だとは思わなかった。このブログでぼくの声を公開するのは初めてのことだから、驚く方多いかもしれませんね。
 いや、しかし...
 自分では、宇多田ヒカルさんや黒柳徹子さんぐらいのスピードかな、ぐらいに思っていたけど、ここまで早口とは。
 多くの編集者さんや作家の方たちから、「市川さんは小説家の中で一番おしゃべりだ」と言われてきたけど、それを印象づけているのは、このしゃべる速度も理由のひとつかもしれませんね。あと、異常なまでに声がでかい。この日も、マイク渡されたけど、けっきょく使わなかった。子供の頃から、いろんな「大声大会」で優勝してきた喉ですからね。マイクなんかまったく必要ない。
 この音圧と、この速度で5時間も6時間もノンストップでしゃべり続けるのだから、相手をする人間からしてみれば、「このひとは度を超えたおしゃべりだなあ」と思うのは当たり前かも。
 まあ、多弁症とも言われているし。やまいだれが付くほどのおしゃべり。脳内物質が溢れ出ているものだから、加減ができない。
 2時間のトークショーで他のひとたちの4時間分をしゃべってる。
 こうやって動画で、客観的に自分を見られたのは、いい体験になりました。
 

|

似顔絵を風景で描いてもらいました

 Dsc03635


 先日、根本有華さんの個展におじゃまして、うちの奥さんが似顔絵を風景で描いてもらいました。根本さんがうちの奥さんから感じた風景。奥さんの似姿ですね。さっそく額に入れて飾ってみました。

 すごく涼やかで優しい印象。この緑の繁みは迷路のようになっていて、その奥で少年が遊んでいる。
 そう聞いて、まさしく! と思いました。うちの奥さんは少年なんですね。心の深いところでは。そして、ぼくが少女。互いがうまく裏返っているので、一緒にいられる。新鮮で不思議な体験でした。
 根本さんには、個展の会場で「壊れた自転車でぼくはゆく」の販売までしていただいて、ほんとに感謝です。
 この場所での個展は先月末で終わったのですが、似顔絵の風景は、続けられると思うので、興味のある方はどうぞ体験してみて下さい。
 http://arica11.exblog.jp/

 この日の出会いは不思議なことばかりでした。

  ぼくは閉じた人間なので、ふだんはほとんど家に籠もっているんだけど、「壊れた自転車でぼくはゆく」を描いたことで、驚くほど多くのひとと短期間で繋がった。十年分の出会いを三ヶ月で果たしたような。

  ふと思ったのは、ぼくも個展みたいなことを出来ないかな? ということ。
 一週間とか小さなスペース借りて、そこに万華鏡やゾートロープや描いた絵や転がりオモチャや、からくり玩具を並べて、来た人に見てもらって、本にサインもして、ビブリオトークみたいなこともして、ぼくみたいな変な作家だからできる個展がある。そうそう、ジオラマも展示。できれば水槽も置きたい。
 その場でゾートロープづくりのワークショップやったっていいし。

 あるいは、ほかのアーティストの方、作家さんはもちろん、画家の方、ものづくりの方、いろんなひととコラボレーションしても楽しいかも。根本さんとのトークショーはまさにそんな感じ、思いもよらない出会いをつくってくれるんですね。日替わりゲストみたいにするとか。


 根本さんの個展が、場所そのものがひとつの作品になっていて、それがすごくよかった。
 だから、「寛太の部屋」みたいなコンセプトで、小説と現実、作者と登場人物の境目が溶けていくような、そんな空間がつくれたら。

 いつ、自分の中の開かれたゲートが閉じるか分からない(こればかりは、サイクルがあるので)、まあ、いまのところ夢半分、の案ですが。

     Dsc03636

 B&Bのトークショーには、作家の深沢潮さんも来て下さって、本をいただきました(サインも!)。
 連作短編集なんですが、きれいな対称構造になっています。ぼくはジュンパ・ラヒリの「停電の夜に」を思い浮かべました。異文化の対立がつねにあるんだけど、その中で、精一杯優しくあろうとする、寛容であろうとする登場人物たちの姿が切なくて愛しい。とくに最後の「ブルー・ライト・ヨコハマ」いいですねえ。やられたっ、って感じでホロリときちゃいました。

 優しくあろうとする覚悟、勇気、強さ。そんなものを出会ったひとたちから感じます。

 いまのこの世界の状況を考えると、こんなふうに同じ思いを抱いた人間たちが、出会い、引き寄せられ、そして1足す1が5にも10にも膨らんでいく。伝播する力。個の思いをこえて、いやもおうもなく伝えられていくメッセージ
。父権に対する母性の浄化作用。そう、女性なんですよ。ついには、国や人種を越えて、アメリカやヨーロッパにもこの出会いの連鎖が広がっていく。この速度は驚くほどです。みんなが求めているからなんでしょうね。ヒロイズムとは別の物語を。少数派ではあるけれど、けっしてその声は小さくない。

 なんとか恐怖症を克服して、海外の人たちとも積極的に会っていきたいと、強く感じてます。
 せっかく向こうが手を差し伸べてくれているのに、臆していては、申し訳ないですし。

 

|

市川拓司「避難民たちの夜」 @B&B トークショー1

 


Bb1


 2月12日に装画を描いて下さった根本有華さんを迎えて、
下北沢のB&Bでトークショーをしたときの動画です。

全部で二時間あるので、少しずつ編集してアップしていきます。

|

「ゾートロープ」

 「壊れた自転車でぼくはゆく」で、寛太の叔父と真利子がつくったゾートロープの立体版です。小説では切り絵でしたが、こちらは石膏粘土で鳥をつくり、ピアノ線で台座に取り付けてあります。様々なタイプのゾートロープを製作中なので、イベント等、いろんなところで見ていただけたら、と思います。

 Dsc03634

|

感想ありがとうございます

 みなさん、「壊れた自転車でぼくはゆく」に感想を寄せて下さって、どうもありがとうございます。みなさんが紡ぐ優しい言葉は、辛辣で攻撃的な物言いが当たり前になってしまったこの世の中で、心を安らかにして憩える、小さな日溜まりのように感じます。

 実社会、あるいはTVやネットの世界も、いまや言葉の棘だらけで、それは心を抉る地雷のように、争いを好まない、優しいひとたちを傷付けます。切れ味鋭くひとを誹ることが出来るひとがヒーローとなり悦に入ってる時代です。まるで攻撃的な語彙が、燃えさかる炎となって世界を焼け尽くそうとしているかのようです。

 ぼくがネット始めた頃とはすっかり変わってしまったように思います。なので、ある時期から、ぼくはこの世界から距離を置くようになりました。携帯電話やTVやコンピューターのモニターを眺めて過ごすより、夕陽や雲や森の木々や星を眺めて暮らす。そのほうが心穏やかでいられる。

 森の中で木の実や鳥の羽を拾っているとき、ぼくは至福を感じます。おそらく採集民族の血が蘇るんでしょうね。

 そんなものですから、すぐにお礼を述べることが出来ずに申し訳ありません。でも、ほんと勇気付けられてます。あまりに、自分の声がこの世界で場違いに感じられるので。

 父権的なこの世界で、弱い者に肩入れする母性の声は、なかなかひとびとの耳に届きにくい状況にありますが、それでも、細々とでも青い火を灯し続けていきたいと思っています。

 そう、表紙の絵を描いて下さった根本有華さんも、心が優しくなる感想を書いて下さってます。
 表紙の絵を見開きで見ることが出来ます。何度見ても、胸に不思議なさざ波が起こります。なんなんだろう? この感覚。ちょっと言語化しづらいです。郷愁、希望、夢、そういったものを絵の具にして描いたような...
 
  http://nemotyucac.exblog.jp/

|

サイン本について

Dsc03492

 せっかくわざわざ、サインをしてある本を選んで下さるんですから、なにか、特典みたいなものを差し上げたいな、と思って、「絵コンテ」を三日掛けて描きました。しろうとの手で拙いものですが、時間だけは掛けて丁寧に描きました。それと、やっぱり自筆のイラストが載っているポップ(これが絵コンテの最終コマになっています)、ちょうどしおりに使える大きさだな、と思ったので、それも一緒に、両方ともサイン入れて、サイン本に添付しました。
 
 まずは都内の書店さんに置いていただきました。まだ、他の書店さんにもお願いする予定です。

 置いていただいている書店さんは以下の通りです。
 
紀伊國屋書店 新宿本店さん ブックファースト 新宿店さん TSUTAYA 渋谷店さん  三省堂書店神保町本店さん  紀伊國屋書店 新宿南店さん 三省堂書店 有楽町店さん ブックファースト 銀座コア店さん  リブロ 池袋本店さん  ジュンク堂書店 池袋本店さん 感謝です。


   あと、トークショーのときも、みなさんにお渡しします。

|

新作について語ってます。

 「避難民」の物語という題で、「壊れた自転車でぼくはゆく」について語ってます。こちらの朝日さんのサイトです。

|

新刊記念トークショー

 まったく不慣れなことなので、どうなりますやら....

朝日さんのサイトの記事をそのまま転載します。

市川拓司『壊れた自転車でぼくはゆく』
発売記念トークイベント~避難民たちの夜~
ゲスト・根本有華(イラストレーター)

『いま、会いにゆきます』から12年、さらにその「愛する者との出会いと別れ」というテーマを深めた作品『壊れた自転車でぼくはゆく』を上梓されたばかりの市川拓司さんが、トークイベントを開きます。ゲストには、本書のほかにも角田光代さん『対岸の彼女』や井上荒野さん『切羽へ』の装画などでも知られる根本有華さんを迎えます。

【東京】
■日時:2月12日(木)
20時~
■場所:下北沢 B&B
〒155-0031東京都世田谷区北沢2-12-4第2マツヤビル2F【TEL】03-6450-8272
■前売1500円+500円(ドリンク代)
以下のサイトから、チケットをご予約ください。
http://bookandbeer.com/blog/event/20150212_ichikawa/

|

「壊れた自転車でぼくはゆく」発刊

 166111_3


 2015.1.7日に、書き下ろし長編の最新刊「壊れた自転車でぼくはゆく」が朝日新聞社出版さんから発刊されました。帯にもあるように、「いま、会いにゆきます」では触れることのできなかった、夫婦の一度目の、真の別れの日々を、ようやく描くことが出来ました。それゆえ、ストーリーの核となる部分は、「いま、会いにゆきます」と大きく重なっています(奥さんの幽霊は現れませんが)。そのことはあらかじめご承知おき下さい。
 それでも、いいよ、また読んでみたいな、と思って下さったなら、どうか手に取ってみて下さい。 

 もちろん、主人公夫婦は、「いま、会いにゆきます」の二人とはまったく別の人間です。子供時代に、空襲でどちらも家族を失い、深い孤独の中で出会い惹かれあってゆく。

  主人公は自分の弱さ、拙さゆえ、一度は彼女の幸せを思って別れを決意します。けれど、運命はふたりをいっそう強く結びつけてゆきます。幾多の困難の末に男の子を授かり、束の間の幸福な日々が訪れますが、彼女は空襲のときに身体の奥深くに入り込んだ「小さな小さな爆弾の欠片」がもとで命を落とします。


 残された主人公は、その後の人生をただひたすら亡き妻の面影を追い求めながら生きてゆきます。その末に彼に訪れる奇跡のような出来事。

 「いまあい」では、亡き妻との再会と二度目の別れを丁寧に描きました。そして「壊れた自転車でぼくはゆく」では、ふたりの新婚生活、妊娠、命がけの出産、その後おとずれる親子三人の束の間の幸福な日々、そして夫婦の別れ、を一切省くことなく、とことん自分に誠実に向き合って描いてゆきました。自分自身と小説との距離が限りなく0に近づいてゆくような、そんな感覚でした。

 主人公の孫が一種の狂言回しとなって物語を進行させてゆきます。祖父の昔語りを、孫とその恋人が聞き手となって、時を半世紀以上前へと巻き戻します。

  この二組の恋愛を軸に、そこに主人公寛太と真利子の幼なじみ、啓司と江美子の献身的な愛が深い色を添えてゆきます(発刊三週間経ちましたが、啓司の人気がものすごく高くて驚きました。ぼくは個人的には江美子のはすっぱな物言いと、そのうちに秘めた純情が大好きです。なんか「こんなにも優しい、世界の終わりかた」の瑞木さんみたいで。江美子のスピンオフを読んでみたいって言って下さった書店員さんもいらっしゃいました。ぼくだって読みたい)。

 この小説は発刊前から、不思議な縁でぼくを素晴らしい女性たちと引きあわせてくれました。

 この原稿がまだ途中だったときに、小手鞠るいさんの「アップルソング」を拝読する機会を得まして(小手鞠さんは「ぼくらは夜にしか会わなかった」の文庫にすばらしい解説を書いて下さってます)、こちらもにマリちゃん(茉莉江)が登場するのですが、ふたりのマリちゃんが双子のように似ていることに、ぼくは腰を抜かすほど驚きました。


Dsc03637


 真利子は、本文では「西の方の生まれ」となっていますが、それはぼくの義母の生まれた広島のことです。そして茉莉江は岡山出身(隣の県同士)。どちらも幼いときに空襲に遭い、家族を失います(時期は、おそらく一月半違い)

 真利子は母とともに叔父の家に身を寄せ、茉莉江はいとことともに叔父たちが暮らす家へ引き取られます。
 真利子は肩に空襲で負ったイチジクの葉の形の火傷あとがあり、茉莉江もやはり、空襲で負った火傷のあとが頬から首筋にかけて残っています。

 しかも、ふたりは絵を描くことが上手で大好き。
 こちらのカップルは「マリちゃん」「カンちゃん」、「アップルソング」のふたりは「マリちゃん」「レンちゃん」とたがいを呼び合ってます。二組で違うのは「カとレ」だけ。

 きっと、数ヶ月間は執筆時間が重なっていたはずですから、小手鞠さんの頭の中とこちらの頭の中で、ふたりのマリちゃんが同時にしゃべったり笑ったりしていたはず。
 こういうのを、共時性っていうんでしょうか。
 
 慌てて、そのむねを小手鞠さんにお伝えしたら、この「出来すぎた偶然」の報告を快く受け取って下さって、まずはほっとしました。いまはこの「「アップルソング」「壊れた自転車でぼくはゆく」の双子小説を機に、ふたりでなにかが出来たらいいね、と言い合っています(小手鞠さん、感謝!)

 この事実を知った書店さんも、「一緒に並べよう」とおっしゃって下さるところもあり、なんとも不思議な展開になってきました。ぼくは昔から、こういったディケンズ的な「よく出来た偶然」にちょくちょく出会います。

 これを物語にしたらおもしろいでしょうね。海を挟んだふたつの国で、ふたりの作家が、よく似たヒロインの話を同時に書いていて、それぞれの物語が、有機的に絡み合い、それが徐々に現実世界を浸食し、ふたりの作家の運命を変えていく... 

 なんか、やっぱり小説っぽい。


 そして、表紙の絵を描いて下さった根本さんとの出会いがあります。

 原画のファイルを送っていただいたとき、見てすぐにもう涙が止まらなくなって。なぜなら、そこには、時という奥行きがあって、手前から奥に向かって、ふたりの人生の足跡が、それこそまるで美しい輝石のように散りばめられていたから。蜃気楼のように彼方に浮かぶ海辺の遊園地。そこに向かって手を取り合い歩いて行くふたり。この色、この手触り、空気感、すべてがぼくの思いをそのまま映しているように感じられて、胸が詰まりました。

 本文を読み終わってから、また表紙を(帯も外して、見開きにして)ゆっくり見ていただくと、ぼくの感動のわけがよくご理解いただけると思います。
 そのときからすぐに、、原画のファイルを壁紙にして、ずっと毎日眺めてます。この世界にゆきたい、と願いながら。根本さん、感謝です。

 そう、しかも、お忙しい中、わざわざ我が家までいらして、直接ぼくにこの小説の感想を伝えて下さった。
 すごく勇気づけられました。もしかしたら世に出せないかもしれない、と一度は思った小説でしたから、すごく不安だったので。

 さらには、ずうずうしくもこの小説のトークショーにまで出演をお願いして、またまたお世話になってしまいます。
 ほんとに、この小説は、女性の方たちに後押しされて、進んでいく感じがしてます。

 そして、根本さんが来て下さった翌日に、ぼくは「優しさの回路」を描くことを決めます。ここにも、小説を描くきっかけとなったイラストを寄せてくれた西村舞さんと、根本さんとに、すごく不思議な共時性が存在してます。

  不思議な縁尽くしの小説ですが、まだまだこの先も、この本がいろんな出会いをもたらしてくれるのではないかと、そんな予感がしています。

 

|

「優しさの回路」謝辞。

 イラストを寄せて下さった舞さん、どうもありがとうございました。あのイラストを見て、すぐに「これは優しさの回路だ!」という思いが湧き起こり、この小説が生まれました。どんどんアイデアが浮かんで、なんだか大きな物語になっていきそうな気がします。いつかは、「子供たちの優しい心が世界を救う」というこの小説を、もう一度長編で描いてみたいな、とも思っています。

 また、様々なインスピレーションを与えて下さった「地球帰還少年少女隊」のみなさん、どうもありがとう。
 あなたたちの舞台を観てとても勇気づけられました。あのとき流した涙は、ほんとに熱かった。自分でもびっくりするほどです。逆境に負けず、勇気を持って前向きに生きる姿は神々しいほどでした。

 また特別支援学校の先生方、このたびはどうもありがとうございました。このような素晴らしい感動に立ち会える機会を与えて下さったことに感謝します。

  みなさんの快復と健やかな日々を心より祈ってます。

|

«小説「優しさの回路」